LGの有機ELテレビ「CX」は、発売から時間が経った今でも高い人気を保っています。一方で後継世代モデルも登場し、「価格差に見合う体感差はあるの?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
スペック表を見ると違いはあるものの、“公式上の差”と“実際に感じる差”は必ずしも一致しません。この記事では、両モデルを「公式スペックで言える差」と「体感差が出やすいポイント」に分けて整理し、最後に用途別でズバッと決められる形にまとめます。
まずは結論からお伝えします。
目次
- 1 まず結論|この2モデルは“ここ”で分かれる
- 2 ① 映像処理|α7 Gen3 と α9 Gen3の違い
- 3 ② HDR性能|Dolby Vision IQは両対応
- 4 ③ サウンド性能|40Wは共通、回路思想が違う
- 5 ④ 録画・同時利用|チューナー数が“余裕”を作る
- 6 ⑤ ゲーム用途|端子数・eARCは事前確認
- 7 レビュー傾向まとめ|“後悔ポイント”を先回り
- 8 型落ちを買って後悔しやすいケース
- 9 電気代・消費電力の違いはある?
- 10 用途でズバッと決めるチェックリスト
- 11 在庫状況で相場が動くモデル|“価格の見方”と最終判断
- 12 買い時のコツ(失敗しにくい見方)
- 13 最終まとめ ─ “録画の余裕”か“軽さと価格”か
まず結論|この2モデルは“ここ”で分かれる

結論サマリー(録画重視ならCX/価格重視なら後継)
端的に言うと、録画や同時利用の“余裕”を重視するならCX、できるだけ軽さや価格を優先するなら後継モデルが基本の判断軸になります。
- 家族で録画をよく使う → CXが安心
- とにかく安く有機ELを導入したい → 後継モデルも十分候補
- ゲーム中心で端子を多用する → 事前確認が必須
価格差だけで判断すると後悔しやすいため、まずは自分の使い方を基準にすることが重要です。
「公式スペック差」と「体感差」は分けて考えるべき理由
スペック表では、映像エンジンやチューナー数などの違いが明記されています。しかし、それが毎日の視聴で常に体感できるとは限りません。
例えば映像処理エンジンは上位・下位の区分がありますが、地デジ中心なのか、映画中心なのかで感じ方は変わります。数字の優劣=満足度ではないのがテレビ選びの難しさです。
そのため本記事では、単なるスペック比較ではなく「どんな人に差が出やすいか」を明確にしていきます。
体感差が出やすい人の特徴
実際に差を感じやすいのは、次のようなタイプです。
- 暗室で映画をじっくり観る人
- スポーツ中継をよく観る人
- 地デジ画質にこだわりがある人
- 家族で録画を多用する家庭
一方で、NetflixやYouTube中心でライトに使う方は、世代差を大きく感じにくい傾向があります。
ここからは、具体的な違いを順番に見ていきます。
① 映像処理|α7 Gen3 と α9 Gen3の違い

公式スペック上の位置づけ(上位/下位)
両モデルの分かりやすい違いが、映像処理エンジンです。一般的にα9シリーズは上位、α7シリーズは下位という位置づけになります。
この差は、主に以下の処理能力に影響します。
- ノイズ低減処理の精度
- 動き補正の滑らかさ
- AIによる被写体認識の最適化
- 暗部階調の再現性
スペック上は明確な差がありますが、重要なのは「それがどの場面で見えるか」です。
実際に差が出やすいシーン(地デジ・暗部・動き)
体感差が出やすいのは、次のような場面です。
- 地デジ放送(元の解像度が低いためアップコンバート処理に差が出やすい)
- 暗いシーンの多い映画(黒の階調処理)
- スポーツ中継(動き補正の自然さ)
特に地デジ中心の視聴では、上位エンジンの方が“輪郭のにじみ”が抑えられて見えるケースがあります。
一方で、NetflixやUHDブルーレイなど高品質なソースでは、差はやや縮まります。
映画派・スポーツ派・地デジ派での体感差
用途別に整理すると、次のような傾向があります。
- 映画を暗室で観る → 微細な階調差に気づきやすい
- スポーツをよく観る → 動き補正の自然さが気になる可能性
- 地デジ中心 → アップスケーリング差を感じやすい
- 配信中心のライト視聴 → 差を感じにくい
つまり、映像処理の差は“常に出る”わけではなく、視聴環境とコンテンツ次第です。
ここを理解していないと、「上位だから安心」と思って購入しても、思ったほど違いを感じない可能性があります。
② HDR性能|Dolby Vision IQは両対応

Dolby Vision IQとは
両モデルともにDolby Vision IQに対応しています。これは、周囲の明るさに合わせて映像の明暗バランスを自動調整する機能です。
従来のHDRは「暗室前提」で作られているケースも多く、昼間のリビングでは白飛び・黒つぶれが起きやすい弱点がありました。
しかしDolby Vision IQでは、部屋の明るさをセンサーで検知し、最適な明るさに補正してくれるため、暗室でもリビングでも安定したHDR表現が可能です。
暗室〜リビングでの実用差
重要なのは、この機能は両モデルとも対応しているという点です。
- 映画を暗室で観る → 本来のHDR階調をしっかり再現
- 昼間のリビング視聴 → 明るさを自動補正
- 配信サービス利用 → Dolby Vision対応作品で効果を発揮
そのため、HDR性能に関してはここで大きな優劣はつきにくいと考えてよいでしょう。
ここは“決定打になりにくい”理由
映像エンジンの世代差はあっても、HDR規格そのものは共通しています。
つまり、HDR対応を理由にどちらかを選ぶ必要は基本的にありません。HDRは“安心材料”であって“決め手”ではないという位置づけです。
選択の分かれ目は、むしろ録画機能や端子構成など、使い方に直結する部分になります。
③ サウンド性能|40Wは共通、回路思想が違う

AI Sound表記の違い
両モデルともスピーカー出力は40Wで共通です。そのため、数字だけを見ると差はないように感じます。
しかし、内部の音声処理回路やAI Soundの世代表記には違いがあります。これは、
- 音場の広がり方
- セリフの明瞭度補正
- ジャンル別の音質最適化
といった部分に影響します。
とはいえ、劇的な音質差があるというよりは“味付けの違い”に近いのが実情です。
内蔵スピーカーで満足できる人
次のような使い方なら、大きな不満は出にくいでしょう。
- ニュースやバラエティ中心
- 音量をそれほど上げない
- ワンルーム・寝室利用
テレビ単体で完結させたい方にとっては、どちらも標準以上の音質といえます。
サウンドバー前提なら差はどうなる?
もし外部サウンドバーを導入する予定があるなら、内蔵音質の差はさらに縮まります。
この場合に重要なのは、
- eARC対応の有無
- HDMI端子の空き状況
- 音声パススルー対応形式
など接続面の仕様です。
外部音響前提なら、内蔵スピーカー差は決定打になりにくいというのが実情です。
したがって、音質を重視する方は“テレビ単体で使うのかどうか”を先に決めると、迷いが減ります。
④ 録画・同時利用|チューナー数が“余裕”を作る

同時録画・裏番組視聴の違い
ここは実用面で最も差が出やすいポイントです。
チューナー数が多いモデルは、
- 2番組同時録画
- 録画しながら別番組視聴
- 家族で視聴が重なる時間帯の対応
といった場面で“余裕”が生まれます。
逆にチューナー数が少ない場合、録画中は他の操作が制限されるケースもあります。
家族利用で差が出るケース
一人暮らしであれば問題になりにくいですが、
- 子どもがアニメを録画
- 同時にドラマを録画
- さらにスポーツ中継を観たい
といった家庭では、チューナーの“数の差”がそのまま快適さの差になります。
この点は映像処理よりも体感しやすい違いです。
録画派が後悔しやすいポイント
価格だけを見て選ぶと、後から次のような不満が出やすいです。
- 同時録画ができない
- 裏番組が見られない
- 外付けHDDの制限を理解していなかった
録画を日常的に使うなら、ここは妥協しない方が満足度は高い傾向にあります。
テレビは数年使う家電です。録画利用が多い方は、“今困らないか”よりも“将来不便にならないか”で判断するのがおすすめです。
⑤ ゲーム用途|端子数・eARCは事前確認

HDMI端子数の確認ポイント
ゲーム用途で重要なのは、映像エンジン以上にHDMI端子の仕様です。
チェックすべきポイントは次の通りです。
- HDMI端子の総数
- HDMI2.1対応ポートの数
- 4K/120Hz対応可否
- VRR(可変リフレッシュレート)対応
“端子はあるが2.1は一部のみ”というケースもあるため、公式仕様表で必ず確認しましょう。
PS5・Xbox利用で見るべき項目
最新ゲーム機を使う場合、次の条件が満たされているかが重要です。
- 4K/120Hz出力に対応しているか
- eARCで高音質音声を出力できるか
- ALLM(自動低遅延モード)対応か
これらが揃っていれば、ゲーム用途としては十分満足できる環境になります。
購入前に公式対応表をチェックする理由
ゲーム周りの仕様は世代ごとに微妙な違いがあります。レビュー記事だけで判断すると、
- 型番違いで仕様が異なる
- 地域モデルで端子構成が違う
- アップデートで対応状況が変わる
といった誤認が起こりやすいです。
ゲーム用途は“必ず公式スペックで最終確認”が鉄則です。
ここを曖昧にしたまま購入すると、後から「思っていた仕様と違った」という後悔につながります。
レビュー傾向まとめ|“後悔ポイント”を先回り

CXに多い声
CXに関するレビューでは、次のような意見が多く見られます。
- 価格がこなれていてコスパが良い
- 有機ELらしい黒の表現がきれい
- 録画周りが使いやすい
一方で、
- サイズがやや重い
- 型落ちゆえ在庫が不安定
といった声もあります。
後継モデルに多い声
後継世代モデルでは、
- 本体が軽量化されている
- UIの動作が軽快
- 設置がしやすい
といった評価が目立ちます。
ただし、
- 価格差に見合うほどの違いは感じにくい
- 録画仕様に注意が必要
という意見も一定数あります。
共通して多い意見
両モデルに共通する評価としては、
- 映像は非常に美しい
- 有機ELの黒表現は満足度が高い
- ゲーム用途にも十分対応できる
というポジティブな声が多いです。
重要なのは、“映像そのもの”への不満は少なく、後悔ポイントは仕様理解不足から生まれやすいという点です。
だからこそ、購入前に自分の使い方と仕様を照らし合わせることが、失敗を防ぐ最大のポイントになります。
型落ちを買って後悔しやすいケース

端子・録画仕様の見落とし
型落ちモデルを選ぶ際に最も多い後悔が、仕様の確認不足です。
- HDMI2.1対応数を見ていなかった
- 同時録画の制限を理解していなかった
- eARC対応ポートの位置を確認していなかった
価格に目が向きやすい分、細かい仕様確認が甘くなりがちです。
“安いからOK”ではなく、“自分の使い方に足りているか”で判断することが重要です。
設置サイズの確認不足
有機ELはベゼルが細くスタイリッシュですが、
- スタンド幅
- 奥行き
- 壁掛け時の出っ張り
を見落とすと設置後に困るケースがあります。
特にテレビボードの幅とスタンド形状の相性は要確認です。
保証・延長保証の考え方
型落ちモデルでは、メーカー保証の残り期間や延長保証の条件もチェックすべきです。
- 焼き付き保証の範囲
- 販売店独自保証の有無
- 修理対応期間
価格差以上に“安心感”の差が出る場合もあるため、ここは軽視できません。
型落ちはお得な選択肢ですが、“仕様・設置・保証”の3点を押さえておけば後悔リスクは大きく下げられます。
電気代・消費電力の違いはある?

公称消費電力の見方
有機ELテレビを検討する際、「電気代はどれくらい違うの?」と気になる方も多いでしょう。
公称消費電力はモデルごとに数値が示されていますが、ここで重要なのは“最大消費電力”と“年間消費電力量”は別物という点です。
- 最大消費電力 → 明るさ最大時などのピーク値
- 年間消費電力量 → 一般的な視聴パターンを想定した目安
カタログの数字だけで「電気代が高い」と判断するのは早計です。
実用上の差はどれくらいか
世代差による省電力化はありますが、日常使用での差は極端ではありません。
特に有機ELは表示する映像によって消費電力が変わるため、
- 明るい番組中心
- 暗い映画中心
- 輝度設定を高くしているか
によって実際の消費電力は変動します。
そのため、電気代の差だけでモデルを選ぶ決定打にはなりにくいといえます。
電気代よりも、録画機能や端子構成など“日々の使い勝手”を優先した方が満足度は高くなりやすいでしょう。
用途でズバッと決めるチェックリスト

ここまで読んでもまだ迷っている方のために、用途別に整理します。自分がどのタイプかを確認してください。
録画重視タイプ
- ドラマやアニメを毎週録画する
- 家族で視聴時間が重なる
- 裏番組視聴をよく使う
→ チューナー数に余裕のあるモデルを優先。ここを妥協すると後悔しやすいです。
ゲーム重視タイプ
- PS5やXboxをメインで使う
- 4K/120Hzを活かしたい
- サウンドバーも接続予定
→ HDMI2.1対応数とeARC仕様を最優先で確認。端子仕様が合えばどちらでも大きな不満は出にくい傾向です。
価格重視タイプ
- とにかくコスパ重視
- 録画はほとんど使わない
- 配信中心で視聴する
→ 型落ちでも十分満足可能。価格差がそのまま満足度差になるとは限りません。
映画メインタイプ
- 暗室で映画を観る
- 黒の階調にこだわる
- 映像処理の細かい違いも気になる
→ 映像エンジンの世代差を重視。ただし、HDR自体は両対応のため決定打ではありません。
このように整理すると、自分の使い方が“録画寄り”か“価格寄り”かで方向性が見えてきます。
在庫状況で相場が動くモデル|“価格の見方”と最終判断

型落ち価格の動き方
型落ちモデルの価格は、基本的に次の流れで動きます。
- 後継機発表 → 徐々に値下がり
- 在庫が減少 → 一時的に価格が安定
- 在庫僅少 → むしろ価格が上がることもある
“型落ち=ずっと安くなる”わけではない点は注意が必要です。
特に人気サイズは在庫切れが早く、底値を待ちすぎると購入機会を逃すケースもあります。
在庫切れ直前のリスク
在庫が少なくなると、次のようなリスクが出てきます。
- カラーやサイズが選べない
- 延長保証対象外になる場合がある
- 配送日程が不安定になる
“欲しいタイミングで買えるか”も重要な価値です。
「底値」と勘違いしやすいポイント
価格比較サイトで最安値を見つけると「今が底値」と思いがちですが、
- ポイント還元込み価格かどうか
- 保証の有無
- 実店舗との価格差
を総合的に見ないと、実質価格は判断できません。
価格は“額面”ではなく“条件込みの実質”で比較するのが失敗しにくい見方です。
ここまで整理すると、最終的な判断軸はかなり明確になります。
買い時のコツ(失敗しにくい見方)

値下がり待ちの落とし穴
「もう少し待てば安くなるかも」と考えるのは自然ですが、型落ちモデルは“待ちすぎ”がリスクになることがあります。
- 在庫が突然なくなる
- 人気サイズだけ先に完売する
- 価格が逆に上がるケースもある
テレビは生活に直結する家電です。必要なタイミングを逃すと、価格以上の機会損失になることもあります。
決算期・モデルチェンジの考え方
価格が動きやすいのは、
- 新モデル発表直後
- 決算期(3月・9月など)
- 大型セール時期
ただし、必ずしも最安になるとは限りません。
“今必要かどうか”と“仕様が合っているか”が優先で、その上で価格が納得できるなら買い時といえます。
底値を追いすぎるより、条件が揃った時点で決断するほうが満足度は高くなりやすいです。
最終まとめ ─ “録画の余裕”か“軽さと価格”か
迷ったらこの基準
ここまでのポイントを一言でまとめると、選択軸はとてもシンプルです。
録画の“余裕”を取るか、軽さと価格を取るか。
- 家族利用・録画多用 → チューナー重視モデル
- 配信中心・録画ほぼ不要 → 価格重視でも十分
- ゲーム中心 → 端子仕様を最優先確認
- 映画重視 → 映像エンジン差を検討
HDRや音質はどちらも高水準なため、大きな決定打にはなりにくいのが実情です。
筆者の最終提案
後悔しにくい選び方は、“将来の使い方まで想像すること”です。
今は録画を使わなくても、家族構成や視聴スタイルは変わる可能性があります。数年単位で使うテレビだからこそ、少しの余裕が満足度を左右することもあります。
一方で、価格差が大きい場合は、その差額でサウンドバーや延長保証を追加する選択肢も現実的です。
“上位か下位か”ではなく、“自分の用途に合っているか”で決める。
この視点で選べば、どちらを選んでも満足度の高い買い物になるでしょう。